秋という名のついたまだ暑さ残る頃
きそがわ日和というイベントに彼と向かった
ほかの作家さんのお手伝いをしているときに
きそがわ日和のスタッフの方と出会い話したのがきっかけだった
彼の友人が岐阜でガラス作家をしていると聞いてそちらのほうに行こうとしていたところなの
そのコトバを残し家路を急いだわたしが電車のなかパンフレットを開いて驚いた
偶然さっき話していたガラス作家さんと彼女が岐阜にいることを教えてくれた彫金作家さん
彼の友人ふたりの名前が記されていたから
わたしと彼はすぐさま、きそがわ日和と自分たちのカレンダーに書き込んだ
ちょうど大雨の後で氾濫がおきた後の川辺はたくさんの太陽に包まれていた
川に反射したひかりはやさしい音を放つ
大学時代からの彼の友人たちは楽しそうに
そしてそれぞれの作品に誇りを持ちながら接客していた
お昼時になると評判のお弁当を口に運び
おいしさいっぱいの笑顔を見ていたらわたしまでしあわせで
自分もおいしいものを食べて笑顔になりたいと
くいしんぼうになることを決めた
くいしんぼうとは決めてなるものではないと思うけれど
何かひとつのことが頭に入るとそれ以外のことがストップするわたしの脳は
アタマの回転だけのために糖分がたくさん入った飲み物と流動物となる
けれどそれでは笑顔は生まれないし力も出ない
おいしいものは何よりのココロの栄養だ
川を眺めながら飲んだアイスコーヒーはのどの渇きもココロの乾きも癒してくれた
そして彼の友達が見えなくなるまで手を振ってくれた姿は自然なやさしさがこもっていた
ゆったりと見える川辺には
たくさんの流木たちと
水神様のチカラを使い果たしたよという穏やかな顔
そして帰り道のクルマで彼と話す
今度は泊まりで遊びに来よう
そしてまた川を眺めながらおいしいご飯を食べようと