愛知に引っ越す前日にIKEAで買った
アウトレットの真っ赤なソファ
彼がお店でサイズを測ってクルマに絶対はいるから
と自信満々だったのに
現実にクルマに入れようとしたらまったくはいらなかった
閉店時間が過ぎてもクルマに押し込めないわたしたちは
配送不可の壁に警備員さんたちとがんばって押し込んだ
運転席も助手席も
フロントガラスまで50cmくらいの幅で
わたしはあのときばかりはソファのために死ぬかとおもった
その皮のソファが3年目にはいり
わたしがパソコンのために座る場所ばかりがすり減っていって
とうとう穴が開いた
久しぶりに行ったIKEAで
ソファのために上にかぶせるカバーを買うことに決めた
ちょうどその日ソファカバー着せ替え大会開催日で
最初は乗り気じゃなかったけど
店員さんの笑顔に魅せられて大会に出ることに決めた
彼と彼のお父さんが絶対勝てると信じ
わたしとお母さんは負けるとわかってたから参加しないつもりだった
でも参加者が少ないことを知ると
欲がわいてわたしとお母さんも参加を決めた
案の定ビリはわたしとお母さんで
大本命の彼とお父さんは2位だった
負けても勝ってもすごく楽しくて気分は晴れた
白いソファカバーを手に入れたわたしたちは
きのうの晩から続いていたケンカの仲直りのために
得意になったソファカバー替えをして気分を変えることにした
ふたりでかけかえた白いソファカバーは
わたしたちのココロを真っ白にかえてくれた気がした
彼がきょう提案したこと
遊びにきてくれた友達にペンキで模様を描いてもらおう
そしてふたりに限界が来た日のために
もう1枚カバーを買おうと
そうしたらまた笑顔がもどってくるからと
わたしもその提案に笑顔でうなずいた
わたしたちはとうぶんこのソファを捨てられないねと微笑んだ